以上の第1部と第2部を日常生活に生かして,ひとり言をいうクセをつけた人は,ある程度,英語の語感が身についたはずです。
英米人同様の「英語で考えることのできる世界」を,小さいながらも確立したわけです。
こうなれば,あとは一般の英会話書や英米の映画の台本などを読むことが全然苦にならず,おもしろいように暗記できるようになります。
それもよいのですが,本書の第3部では,日本人が外人に英語で何かを頼むときに,最も重要と思われる会話表現を収録しておきますので,これをまずマスターしてください。
以下の会話はひとり言ではなく,本来は相手を必要としますが,「いつの日か自分にはこういう英語をしゃべる必要が起こってくるんだ」と考えて練習してください。
まだ類似表現はたくさんありますが,重要なきまり文句を常にひとり言をいって身につけてしまうことがたいせつです。
顔見知りの外人から How are you?(どうですか?)と聞かれて,即座に Fine, thank you.(元気です,ありがとう)と答えられる日本人は案外少ないということですが,その理由は簡単です。
Fine, thank you. という言葉を常日ごろ,口に出していないからです。
しかし外人の話し相手がいないのに,こんな言葉が口から出るわけがないという人があるかもしれませんが,そこは人間だけに与えられた "想像力" という特権をフルに発揮して,外人から話しかけられる光景を想像しながら、ひとり言をいえばよいのです。
いくらなんでも、その程度の想像は必要です。
外国語の学習をあまりにむつかしく考えて、"高度な学問" とみなしますと、かえって障害になります。
軽い気持ちで、むぞうさに英語を口に出すという態度がたいせつです。
まちがえたら恥ずかしい?
ナーニ気にする必要はありません。
「いつか必ずうまくなるのだ!」という鉄のような信念を持ってやってください。
外国語の習得に知能や素質はあまり関係なく、根本的には信念の強さと "慣れ" にか
かっています。
オット少々説教めいて失礼しました。
とにかく気軽に楽しくやることですね。